テレマン室内オーケストラ
ヴィヴァルディ「四季」

2017.2.13

 日本とクラシック音楽の濃厚な関係が生まれたのはもちろん明治 維新以来のこと。様々な歴史の階段をのぼりつつ、レガシーとして我々の心に深く根ざした曲は二つあるのではないでしょうか。一つはもちろんベートーヴェンの「第九」ですね。年末にこの曲を毎年演奏する国は日本以外にはないようです。

 そしてもう一つはヴィヴァルディ「四季」ではないでしょうか?今でもCMなどでよく使われていますが、関西では多くの学校で「給食の時間」に流れる音楽でもあります。「第九」の図式を借りて言えば、「毎昼『四季』を奏でる国」というのも数少ないのではないでしょうか。あらゆる年齢層が「あ、この曲!」と反応するこれら二曲は「日本独自の文化」として吸収したものと言っても過言ではないでしょう。

 ただ「第九」は毎年実演が聞けるのに対し、「四季」に関しては機会が極端に少ないの は なぜでしょう?有名でありすぎるため「今更」という感覚があるかもしれません。一方で演奏者のほうにもやりにくい事情が。例えばオーケストラに依頼した場合、もちろん演奏は可能ですが「十八番」ではありません。お客さんの方もやはりオーケストラからは「シンフォニーを聞きたい!」という思いが強いことでしょう。また国内の室内楽団で演奏するにしても、ソリストまで自力で養成している団体は数少なく、有名なソリストを招いての公演となると独自カラーの強い演奏はなかなか……。

 その点、テレマン室内オーケストラは「独自カラーの強い『四季』」をお届けできる数少ない団体。その演奏は変幻自在。毎回同じ演奏はありません。イ・ムジチの「四季」のイメージの強い方は目からうろこの体験となるでしょう。というのは、この団体、現代のモダン楽器を使用しているものの、その探求のベースはピリオド楽器にあるのです。どのメンバーもバロック、古典派、そして現代の三種類の楽器を演奏できる奏者だけで組織されています。

 団体の音楽的モットーは「作曲者の意図を見出す」そして「それをベースに現代人に楽しんでもらえるものにする」という探求と創造をかけあわせたところにあります。バロック時代の楽器を使用して見えてきた「四季」の「素顔」を、そのベクトルを保ったまま現代人の喜びへと昇華させる……この試みに対し、都内での演奏を聞いた評論家からは「今もっとも聞きたい『四季』」という高評を得ています。

 また、関西の団体特有の「楽しさ」も加味されています。団体創設者であり指揮者・オーボエ奏者の延原武春によるトークで、ヴィヴァルディの楽譜にかかれている自然描写の内容を詳解。「へえ、そんな描写だったんだ!」という知識を頭に入れて、今一度日本のクラシック音楽のレガシーの一つに向き合ってみませんか?

 当日は「四季」全曲のほか、延原武春のオーボエによる協奏曲演奏も準備し、皆様のお越しを待ちしております。

 ※なお当日の演奏はモダン楽器を使用します。