YOKOSUKA ARTS THEATRE

世界最高峰のフラメンコ・ギタリスト カニサレス 特別インタビュー

カニサレスは、フラメンコ・ギターの神 パコ・デ・ルシアの真の後継者であり、名門ベルリン・フィルとも共演した世界最高峰のフラメンコ・ギタリストで、9月に新メンバーを加えた強力なクインテットを率いて再来演します。

今回、公演に先駆けてインタビューをしました。

- 今回のアルバム「洞窟の神話」のタイトルにはどういう意味が込められていますか?

プラトンの「洞窟の比喩」からとっています。フラメンコとクラシックをどのようにミックスさせていくかをテーマにしたチャレンジの気持ちが込められています。

- 伝統的なフラメンコやクラシック音楽の枠を超えて活躍されていますが、今回のアルバムもそうしたフラメンコやクラシックの要素が含まれているのでしょうか?

フラメンコを作曲しているときはフラメンコのことだけを考えています。しかしこれまでに編曲や録音などで得たものを無意識に反映していることは十分に考えられます。これまでに携わってきたこと全てがインプットされ、それが何らかの形でアウトプットされていくのだと思います。

- ベルリン・フィルやNHK交響楽団との共演について印象に残っていることを教えてください。また、このようなオーケストラとの共演は、その後の作品づくりに影響していますか?

ベルリン・フィル(BSO)との演奏は、強烈に覚えています。BSOはフラメンコ・ギタリストとは初共演でしたが、リズムを重視した私の演奏を楽しんでくれ、私は彼らの音に合わせて演奏し、お互いの歩み寄りが楽しい空間を生み出していました。N響とは、スペイン人指揮者(ファンホ・メナ)とのスペイン作品ということで、スペイン人同士の気持ちの通じ方と日本人が多いオーケストラとのコミュニケーションのやり取りが面白かったです。このような経験を含めすべてにおいて何らかの形で良い意味でその後の演奏活動や作品作りに影響していると思います。

- クラシックの曲とフラメンコの曲を演奏するときでは、どんな違いがありますか?

フラメンコの演奏とクラシックの演奏の一番の違いは、フラメンコは私の作品だけを演奏するので自由な気持ちで演奏することができます。一方、クラシックは、楽譜に忠実に、作曲家の意図することを正確に再現する制約の中で、自分らしさを出せるかが大事だと考えます。

- 今回はクインテットでのツアーとなります。カニサレスさんからみたメンバーの素晴らしいところを教えてください。

今回はこれまでのカルテットに1人追加しクインテットとしました。アンヘル・ムニョス(バイレ、カホン、パルマ)は、自身の舞踊団を持ち、振付、プロデュースする実力を持っています。チャロ・エスピーノ(バイレ、カスタネット、パルマ)は、フラメンコだけでなくスペイン・クラシックの基礎を身につけた踊り手と同時にカスタネットの名手でもあります。フアン・カルロス・ゴメス(セカンド・ギター)は、ソロアルバムを何枚も発表している素晴らしいソリストで重要な役割を果たしています。ホセ・アンヘル・カルモナ(カンテ、マンドラ、パルマ)は、今回の新メンバーで、歌い手・楽器の名手です。私を含めた5人全員がソリストとして活躍できる素晴らしい実力を持っていて、素晴らしいステージができるのではないかと期待しています。

- ギターの音以外で好きな音は?なぜ?

ギターの音色は子どものころから親しんでいるので親近感があります。それ以外ではたくさんありすぎて迷ってしまいます。音そのものの良し悪しではなく、その楽器が音楽でどのように使われているかに非常に興味があります。

- 横須賀には3年前に来ていただきました。横須賀や横須賀芸術劇場、あるいは横須賀のお客様の印象を教えてください。

すごく覚えています。お客様も楽しみに来ていただき、リスペクトを持って聴いてくださった印象をすごく持っています。

- 最後に、横須賀のお客様へのメッセージをお願いします。

特別な日になることと予感しています。身構えることなく会場に来ていただいて私たちと一緒に舞台を楽しんでください。


カニサレス・フラメンコ・クインテット

2018年 9月23日(日・祝) 15:00 開演  よこすか芸術劇場

S席:5,500円 A席:4,500円 プレミアム倶楽部サンクス料金(S):4,500円

https://www.yokosuka-arts.or.jp/performance/detail/?id=107

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