YOKOSUKA ARTS THEATRE

「モルゴーア・クァルテット/ロック・プログレッシヴ ロック名曲選」
メンバーの荒井英治 氏からのメッセージ、そしてエマーソン・レイク&パーマーとは(音楽ライター:人見欣幸 氏)

~ 『TARKUS』 at YOKOSUKA ~

私たちモルゴーア・クァルテットがエマーソン・レイク&パーマーを弾く。この『弾く』ことを言い換えれば…擦り、、叩き、、跳ね回り、、捩じ込み、、投げつけ、、挙げ句には、土埃が舞い、、ステージには煙が立つ(・・ほんとか?!)。

一言で言えば、火を噴くのだ。モルゴーアがロックやショスタコーヴィチをPLAYすることは、つまり『噴く』のだ!『弾く』なんていう次元で済ませられるものではない。

なぜ弦楽四重奏でロックなのか?今日(こんにち)の時点でロックはどこにあるのか?そもそもロックとはなんぞや??、というのは真剣に検証すべき問題ではあるが、今は放っておこう。

かつては生きる喜びを見つけるために社会を変えよう…そう!俺たちにはそれができる!と立ち上がった若者たち。彼らの武器は電気でパワーをモンスター化させたギターやベースであり、それで為政者を嘲笑い、そしてドラムで体制を蹴飛ばし、腹の底から振り絞る声で愛を訴えたのだ。

ほんもののロックには不変の力(エネルギー)がある。でなければ、半世紀を過ぎた現在(いま)においても、わたしたちの魂の枯渇を潤しているなんてことはあり得ない。そうなのだ、時代がロックを求めているのだ!

その必要性から、我らがモルゴーア・クァルテットは’60〜’70の不滅のプログレを『噴き』続けるのを使命としている戦士なのである。

あまたあるプログレ・バンドの中においてエマーソン・レイク&パーマーはスーパー・グループである。更にはロックすら超越したひとつのジャンルであるといってもよい、ということを提案申し上げたい。それを証明するために、今日のコンサートの後半をエマーソン・レイク&パーマーに絞った。

さて、前半はといえば、エマーソン・レイク&パーマーの前座と思ってくださっていい。ヘンリク・グレツキや、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンも透視メガネをかけてみれば充分に、プログレッシブ・ロックである。少なくともモルゴーアの手にかかれば。その結果、否が応にも後半への期待感を増長させることになるであろう。

モルゴーア・クァルテット (左から藤森、戸澤、小野、荒井)

1853年のペリー=黒船来航以来、アクティブな街として独自の存在感を示している横須賀の地に、ついに!と拳を挙げるべきか、なっなんと!!と目を剥くべきか、ともかく、あのアルマジロ戦車『タルカス』が襲来するのだ!!

ただならぬ予感・・かつてない緊張感が横須賀の街を覆い尽くしていくに違いない!

『TARKUS』 at YOKOSUKA

固唾を飲んでひたすら11月24日を待ち受けるしかない….

荒井英治(モルゴーア・クァルテット)


英国プログレッシブ・ロックバンドのスーパーグループ
エマーソン、レイク&パーマーとは?

ロック史上で最も重要なキーボード・トリオと言えるエマーソン,レイク&パーマー(以下ELP)は1970年に結成された。クラシックやジャズ、文学の深遠さなどを取り入れたプログレッシヴ・ロック(プログ・ロック、我が国ではプログレと略)と呼ばれた一群の中で、彼等は突出してキャッチーで、ルックスも良く大衆性が高かった。

メンバーはその結成前から知られていた面々。元ザ・ナイスのキース・エマーソン(キーボード)、元キング・クリムゾンのグレッグ・レイク(ベース、ヴォーカル、ギター)、そして元アトミック・ルースターのカール・パーマー(ドラムス)の3名は結成時それぞれ26歳、22歳、20歳(!)。エマーソンをソリストとした「キーボード版ザ・ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」を指向したといわれる。美声でも知られるレイクはリーダーでプロデューサーでもある。そしてパーマーは派手なドラミングで音の土台だけでなく修飾部も担った。つまり全員がフロントマン。

クラシックに対する直接的なアプローチが彼等の特徴の一つ。モルゴーア・クァルテットや吉松隆など、クラシックのミュージシャンに愛される大きな理由はここにあると言えるだろう。ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」に歌詞や自作曲を挿入した。チャイコフスキー「くるみ割り人形(ナットクラッカー)」のロック版で、10年ほど前のヒット曲であった「ナットロッカー」を演奏して会場を沸かせた。組曲も複数ありオーケストラとの共演も行った(スタジオだけでなくコンサートでも)。

70年代に発表したアルバムはスタジオ盤が7枚、ライヴ盤が3枚。キャリア前半に発表した諸作の評価が高いが、どのアルバムにも名曲名演があり、駄作は無い。

ELPは79年に解散したが91年に再結成、以降は個々の活動を優先させつつELPも継続。しかし2010年のライヴを最後に、16年にエマーソン、レイクが相次いで亡くなった事から、3人が揃う事は永遠に不可能となってしまった。現在、パーマーがカール・パーマーズ・ELPレガシー名義で活動、今夏には同志といえるイエス、パーマーが在籍するエイジア等とのツアーを行った。

クラシックとの親和性の高さが特色だったELPはしかし、一貫して「ロック・バンド」であった事は強調したい。3人だけでこの音楽を創るという、かなり強引で無理のある、つまりロックな姿勢を崩さなかった(後半はいささか精彩を欠いたけれど)。ゴツゴツとしたケレン味たっぷりのロック・バンドでい続けた点はもっと注目されていい。

音楽ライター:人見欣幸


モルゴーア・クァルテット
クラシック / プログレッシヴ・ロック 名曲選

2019年 11月24日 (日) 15:00開演 (14:30開場) 

ヨコスカ・ベイサイド・ポケット

S席:4,500円A席:3,500円 チケット7/2(水)発売

※未就学児童はご遠慮いただいております。 託児サービスをご利用ください。

公演チラシはこちら
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