YOKOSUKA ARTS THEATRE

音楽評論家 加藤浩子氏が語る 「THE DUET」の魅力

中村恵理&藤木大地「THE DUET」
「世界が認めた声」への期待

<写真左:中村恵理 右:藤木大地>

 

「世界が認めた声」

中村恵理と藤木大地は、そう形容されることがある。

当然だろう。2人とも、世界の歌劇場の最高峰、ウィーン国立歌劇場の舞台に立ち、成功を収めた。中村は、ロンドンのロイヤルオペラやミュンヘンのバイエルン国立歌劇場でも主役を務め、藤木は、イタリアを代表する名門、ボローニャ歌劇場で絶賛された。しかも2人とも「これから」の歌手である。これまでの活躍は、序章に過ぎない。

ウィーン国立歌劇場

 

2人に際立つのは、並外れた集中力と、「歌い尽くす知性」とでも言うべきものである。2人とも十二分な声量に恵まれ、美しく雄弁な声をコントロールし、華やかに飾る技術にも長けているが、ここ一番での集中力と役柄に没入するパッションは凄まじい。中村がオペラ界の女王アンナ・ネトレプコの代役として大役を射止めたとか、もともとテナーだった藤木が風邪をひいて声が出ないときに裏声を試してうまくいき、カウンターテナーに転向したとかいうエピソードは有名だが、それを掴めるのも2人が「持っている」からであり、それは集中力の領域である。また役柄に没入するといっても我を忘れてはならないので、自分が何をしているか距離を置いて把握できていなければならず、それは知性の領域だ。冷静と情熱のあいだ。それを行き来しつつ客席を引きずり込めるのが、ほんとうの一流である。

今回のプログラムには、「世界が認めた」2人が今一番歌いたい曲が並んでいる。当初はコロラトゥーラを生かした役が多かったが、最近「ドラマティックな役がなじむようになってきた」という中村は、ヴェルディ、プッチーニ、そしてマスネというイタリアとフランスのオペラアリアに、中田喜直の名曲を添える。藤木は、しなやかな声と高度な技術が生きるヴィヴァルディに、声の透明感と表現力が堪能できる現代オペラ、そして現代歌曲の名手信長貴富の珠玉の作品を選んだ。二重唱のプログラムも、ソプラノとカウンターテナーという組み合わせならではの魅力的な内容だ。従来ならソプラノとメッゾ・ソプラノが歌う「ホフマンの舟歌」をこの組み合わせで聴けるとは、これまたとても楽しみである。新国立劇場の研修所で同期であり、またウィーンでは互いの舞台を客席から観劇したりと、互いの声も人柄もよく知っている2人ならではの、親密な、そして陶然とさせてくれるひと時になることだろう。

Fabio Parenzan

伴奏を務める園田隆一郎<右写真>は、同じく上り調子のマエストロ。特にベルカントオペラを得意とし、「声」の魅力を知り尽くす。ピアノの名手としても知られ、歌手の伴奏を務める機会も多く、歌手たちからの信頼も絶大だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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