前回は、舞台設備についてお伝えいたしましたが、舞台設備は大きく分けて4つあると言っておきながら、2つしか紹介ができなかったので、今回は、残る「舞台機構」と「舞台音響」についてお伝えしたいと思います。
よこすか芸術劇場の舞台機構は、床機構と吊物機構に分かれています。
床機構 ・・・ 1基の大きさが、幅18m・奥行6mの前(客席寄り)・奥(舞台奥寄り)2基の大迫と、舞台の上手・下手に各2基の、合計4基からなるスライド式完全3面舞台
吊物機構 ・・・ 油圧制御システムの美術バトン50本、どん帳バトン、照明機器を吊り込むためのブリッジなど
いま現在、床機構については、舞台床面に傷をつけたり、解体時に出る粉じん対策のため、全面に隙間なくびっしりと板を敷き詰めた養生がされていて、工事が終わるまで見えない状態になっています。
吊物機構は、主に舞台上の天井にあります。「スノコ」(漢字では「簀の子」)と呼ばれるエリアです。
このスノコに吊物機構があることで、吊るためのワイヤーの操作や、作品に合わせて任意の場所に吊物(幕や美術セット)が設置しやすくなるというメリットがあります。
吊物機構についても、解体時に出る粉じんの対策として、スノコをはじめ、吊物機構のモーター類や美術バトンのバランスをとるためのカウンターウエイトに至るまで、すべて養生がされています。
※前回のブログの舞台を見上げた写真で、スノコが青くなっているのは、全面養生されたスノコを下から撮影したからでした。
天井改修と時期を合わせて、ワイヤレスマイク装置、吊マイク装置、客席内スピーカーなどの舞台音響機器も更新されます。
よこすか芸術劇場の客席内には、いろいろな場所にたくさんのスピーカーがあります。簡単に説明すると。
【見えているスピーカー】
○ 舞台前方上部に設置してあるプロセニアムスピーカー(メインスピーカー)
□ 舞台前方両サイドの壁に設置してあるサイドスピーカー
◇ 両サイドのバルコニーに設置してあるサイドバルコニースピーカー
その他にも基本見えないように収納してあるスピーカーとして
が設置されています。
今回、客席内にある大・小合わせて50台以上のスピーカーが更新予定です。客席内にそれだけの数のスピーカーが本当にあるのか、リニューアル後にお越しの際はぜひ数えてみてください。収納してあるスピーカーを全部見つけるのは困難だと思うので、どこにあるのか知りたい方は、よこすか芸術劇場で開催する「バックステージツアー」に参加していただければ、ツアー案内人がきっと教えてくれると思います。(笑)
余談ですが、よこすか芸術劇場のプロセニアムスピーカー(メインスピーカー)は、今は2代目で初代のスピーカーはこんな形でした。
子どもたちには、初代は「ブドウの形みたい」、2代目になった時は「バナナみたい」と言われていました。
新たにお迎えする3代目は一体どんな形になるか??今から楽しみです。
まだ梅雨も明けていないのに真夏日が続いていますが、皆さんも体調管理にお気をつけください。工事関係者の皆さんも、「どうぞご安全に!」
それではまた、次回お会いしましょう。