YOKOSUKA ARTS THEATRE

ベートーヴェンへの旅~ コンスタンチン・リフシッツ インタビュー

10代の頃からその天才的なピアニズムが注目され、ソロのみならず著名な指揮者や各地のオーケストラとの共演を重ね、その才能を開花させてきたリフシッツ。今回、「ピアノの新約聖書」と崇められるベートーヴェンの傑作・全32曲のピアノ・ソナタを首都圏8館に振りわけて演奏するという壮大なプロジェクトを敢行。有名な作品とそうでない作品を組み合わせた各プログラムは、いずれも根底にはひとつのテーマが横たわっていると言います。この取り組みを前に、その想いを聞きました。

●「よこすか芸術劇場」でのプログラムについてご紹介ください
今回の横須賀でのプログラムでは、ベートーヴェンの多神教信者の面を見ることができます。例えば「田園」交響曲においては、ベートーヴェンが悪天候(もしお聴きになれば、とても酷い天候を聴きとれるでしょう)と、太陽が再び戻ってくることへの神への感謝との間の大きなコントラストを創り出そうとしていることが明らかです。出版の際には「田園」交響曲の総譜にベートーヴェンが記述を加えることを、検閲は教会の神(主)の教義への大きな挑戦として禁じたことで知られています。
ピアノ・ソナタ第3番は第21番「ワルトシュタイン」と調性上の相性が良い作品ですので、2作品の間にアーチを架けるようなイメージで聴くのも良いと思います。
ピアノ・ソナタ第5番は一般的に最も実験的な作品の一つとされています。特に第3楽章には作曲家によって最終的に却下された2つのバージョンがありました。にもかかわらず、私はお客様のベートーヴェン観をかきたてるために、時にそのどちらかのオプションを採用することにしています。会場にいらして、是非どちらを演奏するかを確かめてみてください。
また第15番「田園」では、ともにヨーゼフ・フライヘル・フォン・ゾンネンフェルス男爵(作品の献呈者)のフィロソフィーを共に再発見しようではありませんか!

●2010年12月に樫本大進さんとのデュオで来られていますが、ホールの印象は?
樫本大進さんとのツアーは良い思い出です。特にホールの素晴らしさはよく覚えています。
音響も素晴らしかったです。

●ご来場のお客さまにメッセージをお願いします!
是非多くのお客さまに聴いていただきたいと思います。来ていただければベートーヴェンのプライスレスのメッセージを皆さまにお伝えできると思います。

ぜひ、彼の全身全霊を傾けた演奏を心に刻んでください!

ベートーヴェン生誕250周年記念 横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ59
首都圏8館共同制作 コンスタンチン・リフシッツ ピアノ・リサイタル
~ベートーヴェンへの旅 ピアノ・ソナタ全32曲演奏会~

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写真 ©N.Ikegami

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