横須賀芸術劇場少年少女合唱団サマー・コンサート レビュー
2021年7月11日（日）、横須賀芸術劇場少年少女合唱団は、定期演奏会を行い、実に1年半ぶりに一般のお客様を前に演奏を披露しました。
“皆で集まって声を合わせる”合唱団の活動にとって、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は大きく、今年に入ってからもその活動は大幅に制限されていました。今回のサマー・コンサートに向けての練習もリモート・レッスンが中心となりましたが、6月末から大劇場で対面練習を行ことができ、「時間が足りない」「もっと歌いたい」と声があがる中、限られた時間の中で集中して練習を行い、本番を迎えることができました。
子どもたちはマスクを付け、お互いの間隔を空け、会場も扉の一部を開放した他、アンコールは、全員での歌唱は避け、小学生の部と中・高生の部に分けてお贈りするなどの感染症拡大防止対策をとりました。
プログラムは、古くから伝わる”子ども歌”や、宗教曲、日本の民謡を題材にした歌、2014年に横須賀芸術劇場の開館20周年記念のときにオーストラリアやフィリピンの作曲家に委嘱した曲など、バラエティ豊かな選曲で、約1時間15分の演奏会をお客様にお楽しみいただくことができました。
＜第1ステージ＞
同声二部合唱曲集「メリーちゃんのひつじ」より
プッシー・キャット／ABCのうた／メリーちゃんのひつじ
（「マザー・グースのうた」より なかにしあかね 日本語詩・作曲）
最初のステージは、小学生が登場。イギリスに古くから伝わるマザー・グースの歌をアレンジした曲を時に振りをつけながら初々しい歌声を届けました。4月に入団した新団員12人にとっては3か月の短い練習期間でしたが、見事に初舞台を乗り切りました。
<第２ステージ＞
目が見もせず Oculus non vidit （O.ラッスス 作曲 Orlandus Lassus）
ミサ曲 in D より “主よあわれんでください” Kyrie from Missa brevis in D（B.ブリテン 作曲 Benjamin Britten）
女声・同声合唱による10のメルヘン「愛する歌」より
ロマンチストの豚／さびしいカシの木／犬が自分のしっぽをみて歌う歌
（やなせたかし 詩／木下牧子 作曲）
次のステージは、ミドル・クラス（小学5年生～中学2年生）です。やなせたかしの可愛らしく、そして時に哀愁を感じさせる楽曲とラテン語の曲宗教曲に挑戦しました。ラテン語の曲は今年度の全日本合唱コンクール小学校部門の課題曲で、合唱指導者向けのレッスン動画の収録にモデルとして出演しています。
＜アンコール1＞
元気に笑え （阪田寛夫作詞／F．メラー作曲）
<第３ステージ＞
ラウダーテ・ドミヌム Laudate Dominum （R.デュブラ 作曲 Rihards Dubra）
リトル・ラム（子羊） Little Lamb ★ （W.ブレイク 詩／A.D.コンソラシオンⅡ世 作曲 William Blake／Alejandro D. ComsolacionⅡ）
ヌル・ブンダ ～朝の歌～ Nooroobunda ～morning song～ ★ （作詩者不詳／S.リーク 作曲 Stephen Leek）
★2014年合唱団新作委嘱作品(初演指揮 武田雅博)
続いてはシニア・クラス（中学3年生～高校3年生）。上級生ならではのア・カペラの楽曲と2014年の新作委嘱作品2曲を披露しました。
＜第4ステージ＞
「あんたがたどこさ」 童声または女声のために （松下 耕 作曲）
同声（女声）合唱のための「紀の国のこどもうた」より
ねんね根来の／やんまヤッホー／なわとびあそび （松下 耕 作曲）
そして最後のステージでは、中学生以上の団員が民謡を題材にした日本固有のリズムとハーモニーを紡ぎました。
＜アンコール2＞
未来へ（谷川俊太郎作詞／信長貴富作曲）
しばらくはコロナ禍が続くと思われますが、子ども達の希望を消すことなく、歌声を繋いでいくために、その時の感染症の状況に合わせ、練習形態を模索し、活動を継続してまいります。
今後も皆様に感動してもらえるような合唱をお届けしますので、ぜひご期待ください。
【OBOGも集まりました】 たくさんのOBOGも駆けつけて、後輩の演奏を愉しみ、旧友との再会を楽しみました |
横須賀芸術劇場少年少女合唱団ステージ38 サマー・コンサート’21
2021年 7月11日 （日） 15:00開演
よこすか芸術劇場
指揮
渕上千里（常任指揮者）
廣橋英枝（指導者・指揮者）
ピアノ
水戸見弥子（指導者・ピアニスト）
合唱
横須賀芸術劇場少年少女合唱団
主催：公益財団法人横須賀芸術文化財団
協賛：エイビイ
後援：横須賀市/横須賀市教育委員会
助成：文化庁 文化芸術振興費補助金（劇場・音楽堂等機能強化推進事業）/（独）日本芸術文化振興会