YOKOSUKA ARTS THEATRE

彌勒忠史さんから聞く ~ミロクの魅力~

■3月5日のオペラ宅配便シリーズ番外編「NON SOLO OPERA! オペラだけじゃない!」公演では学生インターンの方に制作運営を体験していただいています。企画演出をつとめる彌勒忠史さんへの新聞取材に同行したS.Yさん。自身で彌勒さんへインタビューも行い、彌勒さんがどのように作品を企画されるのか、その魅力はどこにあるのか?”彌勒の魅力”について執筆してくれました■

 2003年から続く「オペラ宅配便シリーズ」は、今年で20年目に突入します。

 “オペラをもっと身近に楽しくお届けする”をコンセプトに、どなたでもオペラに親しめる企画で好評のこのシリーズ。企画・演出されるカウンターテナーの彌勒忠史(みろくただし)さんに、毎回新しい企画をどのように生み出されているのか伺いました。

みろくの語録①

「岡崎体育のラップとロッシーニの早口言葉ではどっちが速いのだろう?」

新しい企画につながる数々のアイデアやひらめきを生み出すのは、子どものときからの習慣にあると話されていました。彌勒さんは子どものときから様々なことに興味を持ち、その好奇心が現在でも原動力になっているとのこと。最近岡崎体育さんのリズミカルなラップを聴いて、ロッシーニの早口言葉とどっちが速いのかという疑問を持たれたそうです。このような疑問からわかるように、自分の中にある記憶や知識をそのままにせず、日ごろ見聞きしていることと結びつけて、見える世界を広げていらっしゃいます。

みろくの語録②

「差異を見つけるよりも共通点を見つける方が面白いものにつながる。」

文化を比較する際に “違い”を見つけることは簡単です。対して“共通点”を探り突き詰めていくことで、それぞれの特性をより見出すことができます。そのアイデアやひらめきを企画に取り入れてまとめるように心がけていらっしゃるそうです。

みろくの語録③

「間口を広くして奥を深くする。そのなかにいろんな引っ掛かりがあるようにつくる。」

音楽に対する知識の有無に関わらず世代を超えて親しまれる企画をするにあたり、彌勒さんは聴衆の目線もとても大切にされています。鑑賞しているときに「これはどういうことだろう?」と深く掘り下げてどんどん見える景色が変わるような、いろんな人がいろんな引っ掛かりで楽しめるように構成されています。

 彌勒さんのお話を伺っていて、2つ気づいたことがあります。

 まず、「多面的な視点や発想から企画を生み出していらっしゃること」です。そして、何よりも「ご自身が企画をとても楽しんでいらっしゃること」です。

 今回の企画「Non Solo Opera! オペラだけじゃない! ~オペラと歌曲の密な関係~」の中には、初期バロックから古典派までの作品を取りあげます。バロック音楽には即興演奏が入ることが特徴の1つです。“即興”は音楽だけではなく、実際の舞台上でいつどんなときでも起こり得るとおっしゃっていました。

 このインタビューで彌勒さんとお話ししていくにつれて、まるで彌勒さんの脳内を拝見した気分になりました。当日どんな舞台になるのかワクワクしています!

 また、公演をより一層楽しめるプレトークも開催されます。(入場無料・要予約です!)

 皆さん、その時その場で繰り広げられるミロクワールドにぜひお越しください!   

インターン生 S.Y

オペラ宅配便シリーズ番外編 
NON SOLO OPERA!オペラだけじゃない!
~オペラと歌曲の密な関係~ 

2023年3月5日(日)14:00開演
ヨコスカ・ベイサイド・ポケット                           

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