-公演タイトルに「美しき日本の歌」とありますが、お二人にとって思い出深い日本の曲と、そのエピソードをお聞かせください。
腰越:
クラシックではないのですが、私が小学生の頃に聴いた、当時荒井由実の名前で売れていた松任谷由実の「あの日に帰りたい」の大人びた歌詞やメロディーに衝撃的に魅せられ、楽譜を探し、毎日毎日飽きずにこの曲ばかりを弾き語りしていました。
与儀:
中学生の頃からオペラや日本歌曲が大好きで、愛好家として楽しんでいました。その後、音楽への情熱が高まり、声楽を志して音楽大学へ進学しました。そして大学院時代、日本歌曲の大家である畑中良輔氏による公開レッスンを受ける貴重な機会に恵まれました。公開レッスンでは日本歌曲の作曲家であり、素晴らしい演奏家でもある先生を前に、とても緊張したのを今でも覚えています。しかし、先生の博識あふれる教えから多くを学び、とても感動しました。それ以来、日本歌曲への興味がさらに深まり、今でもその魅力に心惹かれています。
-日本語の歌唱にあたり、普段意識していることは何でしょうか。
腰越:
どの言語を歌うときも同じなのですが、言葉を丁寧に伝える…というのは勿論のこと、ただはっきりと日本語が聴こえるように、ということだけでなく、言葉や文章の先にあるその情景、色、香りなど五感で聴いていただけるような歌が歌いたいなあと常々思っております。
与儀:
日本人にとって日本語を話すことは簡単ですが、歌うとなると少し違った難しさが出てきます。響きを持ちながら、しっかりと言葉をお客様に伝えるためにはどうすれば良いのか、常に悩んでいます。無防備に歌うと、言葉がまるで外国語のように聞こえてしまうことがあります。一方で、話すように歌おうとすると、声の響きが失われてしまいがちです。難しいですが、この「響き」と「言葉」のバランスを上手くとることを意識しながら歌うように心がけています。
-今回はオーケストラ・合唱団との共演となります。ご自身の歌唱曲の聴きどころや、本公演への意気込みをお聞かせください。
腰越:
オペラというジャンルはオーケストラと合唱が欠かせないように、音楽の中で一番壮大な音になるのがオーケストラと歌の共演だと思います。今回はオペラではありませんが、この壮大な響きをバックに歌えることは何にも代え難い喜びです。オーケストラ、合唱の皆さんと心を合わせて素晴らしい音楽をお客様にお聴かせできるようにと願っております。
与儀:
今回で2回目の出演となります。前回はピアノ伴奏での演奏でしたが、今回はオーケストラとの共演となり、どのような響きになるのかとても楽しみです。また、私の故郷の歌や、大好きなカンツォーネを、尊敬する素晴らしい方々と共にお届けできることを心から嬉しく思っています。ご来場の皆さまに喜んでいただけるよう、精一杯心を込めて演奏いたします。
日本を代表する歌手たちの歌声にどうぞご期待ください。
美しき日本の歌スペシャル・コンサート
~歌い継ぐ名曲たち~
2025年11月30日(日) 15:00開演(14:30開場)
横須賀市文化会館 大ホール

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